🇫🇷 仏当局、中国ファッション「Shein」に罰金68億円 安売り57%が“該当せず”と認定
フランスの競争・消費・不正取締総局(DGCCRF)は2025年7月3日、中国発ファストファッションブランドのShein(シーイン)に対し4,000万ユーロ(約68億円)の罰金を科しました。理由は、「安売り・割引表記」が誤解を招くものだったため。調査では、**全体の57%のディスカウント表示が、実際には正しい値下げに該当しないことが判明**。さらに、19%が「割引幅の過大表示」、11%は「実質的に価格が上がった例」でした。(@ FT・Reuters・AFP)
📉 調査概要:2022年10月〜2023年8月の数千商品対象
調査は2022年10月から2023年8月まで、Sheinのフランス公式サイトに掲載された数千アイテムが対象。DGCCRFは「30日以内に最も低かった価格との比較が義務」と定める仏法に照らし、プライス表示が不適正だと判断しました。
このほか、Sheinが「環境や持続可能性への取り組み」を大々的にうたった点についても根拠が不十分と指摘。広告の持続可能アピールも**ミスリード**と認定されました。
💬 Shein側の反応と対応
Sheinは「2024年3月にDGCCRFから指摘を受け、2か月以内に改善措置を実施した」とし、「すべての指摘に対応済み」とコメント。また「消費者への価格への影響はゼロ」と主張し、今後も法令遵守を維持するとしています。
🌍 背景:EU域内での低価格中国輸入品への規制強化
今回の罰金は、EU域内における**低価格中国輸入品の透明性向上と規制強化の流れ**の一環と見るべきです。欧州委員会は、月末以降に欧州全域で**1配送あたり2ユーロの課金**を提案中。併せて、SheinがEUデジタルサービス法や消費者保護ルールを順守しているかどうかも別途調査が進んでいます。
📝 考察
今回の68億円罰金は、**フランス史上最大級の消費者保護違反**に対する行政処分であり、Sheinの欧州展開に示された厳しい姿勢の象徴です。
価格戦略に基づく販売モデルが急成長を支えた一方で、**「見せかけ値引き」問題は今後、EU全体へ波及する可能性**があります。
さらに、持続可能性を謳う広告表現についても規制の強化対象になっています。Sheinにとっては「価格と価値のバランスをどう保つか」がヨーロッパ成功の鍵となるでしょう。今後、他の中国系ファストファッションブランドにも同様の調査が波及する可能性が高く、**EU市場における競争環境が変化する時期に差し掛かっています。**
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