トランプ氏、日本の自動車貿易に再び不満表明 FOXニュースインタビューで
2025年6月29日、アメリカのトランプ前大統領はFOXニュースの独占インタビューに登場し、日本との自動車貿易について「極めて不公平だ」と改めて批判しました。過去にも日米間の貿易不均衡に不満を示してきたトランプ氏ですが、今回は大統領選再出馬を控える中、再び対日強硬姿勢をアピールする形となりました。
インタビュー内でトランプ氏は、「日本は毎年何百万台もの車をアメリカに輸出しているのに、我々が日本に車を売るのはごくわずかだ」と語り、不均衡な構造に対する不満を強調。また「オバマもバイデンもこの問題に手を付けなかったが、私だけが関税を含めた対抗策を講じた」と、自身の経済政策の正当性を強調しました。
・「日本からの車は入り放題なのに、アメリカ車は門前払いされている」
・「必要があれば再び関税措置をとる」
・「安倍とは良い関係だったが、日本はビジネスで容赦ない」
背景には再選戦略と支持層へのアピール
トランプ氏の今回の発言は、2024年の大統領選を終えた直後に控える2025年の中間選挙や2028年の次期大統領選への布石とも見られています。特に彼の支持層である中西部の自動車産業地帯では、輸入車への警戒感が強く、こうした発言は国内製造業の保護を訴える上で効果的です。
また、トランプ政権時代には実際に日本車を含む外国車に関税を課す検討が行われ、業界に大きな影響を与えました。今回のインタビューでも、「我々の製造業を守るためなら再び関税も辞さない」と語り、再選後の経済政策の布石とも受け取れます。
日本政府は冷静な姿勢、経済界は警戒感も
日本政府は現時点でトランプ氏の発言について公式なコメントを控えていますが、外務省幹部は「一候補者の発言に過剰に反応する必要はない」と述べ、選挙戦をにらんだパフォーマンスである可能性を示唆しています。
一方で、経済界からは警戒感も出始めています。大手自動車メーカー幹部は「関税強化が現実になれば、生産や販売に大きな影響が出る。日本経済全体にもマイナスだ」と語り、発言の行方を注視しています。
「過去にもトランプ氏の関税政策が日米間の貿易に影響を与えた経緯があるだけに、今回は単なる口先介入と見なすのは早計」とする経済アナリストも。
考察
トランプ氏の発言は、選挙戦略の一環であることは明らかですが、日米の経済関係に実際に影響を与えかねない点でも注意が必要です。過去の「アメリカ・ファースト」政策を想起させる言動は、支持層には強く響く一方、国際経済に不安を与える面も否めません。
日本にとっては冷静に対応しつつ、状況を注視し続ける姿勢が求められます。発言が単なる選挙向けのものなのか、実際の政策につながるのかを見極めることが、今後の経済戦略において重要なカギとなるでしょう。
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