ウソだらけの「小型ファン」広告 “世界最小エアコン”“驚きの性能で4990円”表示も
夏の暑さが厳しさを増す中、SNSやWeb広告で頻繁に目にする「小型ファン」「ポータブルエアコン」の広告が問題視されています。広告には「世界最小エアコン」「驚きの冷却力でこの価格!4990円」などといった、魅力的でキャッチーなフレーズが並びますが、実際に届く商品はその内容と大きく異なるケースが相次いでいます。
誇大広告の実態と消費者庁の見解
消費者庁はこれらの広告について、「表示と実際の性能に著しい乖離がある」として景品表示法違反の可能性を示唆しています。動画広告では氷のような冷気を発し、部屋全体が涼しくなるような演出がされている一方で、届いた商品は単なるUSB扇風機で冷却効果はほとんどないという報告が多く寄せられています。
“驚きの性能”の中身は…?
ユーザーのレビューを見ると、「風がぬるくて全く涼しくない」「5000円以下とはいえ、これでは扇風機以下」などの不満が目立ちます。中には説明書もなく、中国語表記のみの商品が届いたという声もあり、消費者を欺く悪質な広告手法が疑われています。
販売元の不透明さが問題
これらの商品は、広告から直接アクセスするECサイトや、中華系マーケットプレイスなどで販売されており、販売者の情報が曖昧なケースが大半です。問い合わせ窓口が存在しない、返品対応に応じない、などのトラブルも頻発しています。
Xの反応「またか…」の声が多数
このニュースに対して、X(旧Twitter)ではさまざまな意見が投稿されています。
- 「買ったことあるけど、ただの風。冷房じゃないって最初から言ってほしい」
- 「YouTubeやInstagramでよく出るアレだよね、何度も騙される人いるよ」
- 「こういう広告、SNSも放置しすぎじゃない?」
- 「安いからつい買っちゃうんだけど、損してる気しかしない」
ユーザーの間では「またこの手の商法か」といった諦めや怒りの声が広がっています。
なぜ騙される?心理的トリックも
こうした広告が多くの人に“刺さる”のは、猛暑という切実な状況の中で「簡単に解決したい」という心理を巧みに突いているからです。しかも価格が5,000円以下と絶妙に「試し買いしやすい」ラインに設定されており、「損しても小額なら…」という心理を利用したビジネスモデルになっているのです。
専門家「購入前にレビューを調べる習慣を」
消費生活コンサルタントは、「広告を鵜呑みにせず、購入前に商品名で口コミを検索する習慣を持つことが重要です。特に日本語以外の販売業者からの製品には注意が必要」とアドバイスしています。また、消費者庁の景品表示法に関するページにも、こうした事例への注意喚起が掲載されています。
考察:広告を見る目を養う時代に
スマホやSNSが生活の中心となる現代において、「広告の正しさを見抜く力」は消費者にとって重要なスキルです。今回のような小型ファン広告はその一例に過ぎず、AI技術などを用いた巧妙な宣伝手法は今後ますます増えると予想されます。
「安い・便利・今すぐ」という三拍子がそろった広告には一度立ち止まって、「本当にそんな効果があるのか?」と自分で調べる癖をつけることが、損しない第一歩になるでしょう。
まとめ
「世界最小エアコン」「驚きの冷却力」といった表現で注目を集める小型ファン広告。しかし実際の性能は大きく異なり、消費者庁も注意喚起を行う事態となっています。猛暑の今こそ、“お得な情報”に踊らされず、冷静な判断を忘れずに過ごしたいものです。
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