世界株が上昇ピッチ加速、7月相場への期待感も 中東・関税リスク後退と米利下げ観測が背景
2025年6月末、世界の株式市場が軒並み上昇基調を強めています。米国をはじめとした主要株価指数が連日の高値圏を維持しており、投資家の間では「7月相場はさらに堅調に推移するのでは」との期待感が高まりつつあります。
背景には、懸念されていた関税リスクや中東情勢の緊迫化がいったん落ち着いたことに加え、米国の利下げ観測が現実味を帯びてきた点が挙げられます。これにより、資金が再び株式市場へ流れ込む構図が鮮明になっています。
・FRBの利下げ期待が再浮上(9月利下げが市場コンセンサスに)
・中東の軍事的緊張が一時的に後退
・米中通商関係に改善の兆し(追加関税の棚上げ報道も)
・企業決算が想定上回るペースで推移中
アメリカ経済の減速が「安心材料」に?
通常であれば経済指標の弱さは株式市場にとってネガティブ材料ですが、現在は逆に「利下げの後押し材料」として歓迎されるムードが広がっています。特に、6月に発表された米国の小売売上やISM製造業景況感が予想を下回ったことで、FRBが9月にも利下げに踏み切る可能性が意識され始めました。
金利が下がれば企業の資金調達コストも下がり、成長期待が高まります。また、ドル安が進めば米国企業の海外収益にもプラスに働くため、外需比率の高い企業を中心に買いが広がる展開となっています。
注目される7月相場 材料は「決算」と「FRB発言」
今後の注目は、7月中旬から本格化する米企業の4~6月期決算と、FRB高官の発言です。特にハイテク大手の決算動向は、NASDAQなど主要指数に大きな影響を及ぼすため、投資家は注視しています。
また、パウエルFRB議長をはじめとした中銀関係者の講演内容が、今後の利下げ時期を左右するため、市場にとって大きな材料となります。「インフレは着実に落ち着いている」という見方が示されれば、さらに株価が押し上げられる可能性があります。
「7月は季節的にも上がりやすい相場。特に利下げ観測が強まる局面では、株式への資金流入が一段と加速する可能性がある」と国内証券アナリスト。
考察
6月の世界株上昇は「リスクオン」への地合い転換を象徴しており、7月に向けた市場環境もおおむね好転しています。ただし、依然として地政学リスクや中東情勢の再燃、米国内での政治不安(トランプ氏発言など)といった懸念材料が潜んでいる点には注意が必要です。
今後は短期的な上昇トレンドに乗る動きが強まる可能性がありますが、決算やFRBの発言次第では一時的な調整もあり得るため、ポジション管理が重要になります。7月相場は「楽観と警戒がせめぎ合う月」になりそうです。
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